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第8章:役員の経験不足を「チーム」で補う!経営体制(ロ)の活用術

2026年3月12日

~5年に満たない新任役員でも、許可取得を可能にする「補佐役」戦略~

建設業許可の最大の関門といえば、「経営業務の管理責任者(経管)」です。「役員として5年以上の経験」という条件を聞いて、「あと2年足りないから許可は無理だ......」と諦めてしまうケースは後を絶ちません。
しかし、令和2年の法改正により、「経営体制(ロ)」と呼ばれる画期的なルールが登場しました。これは、役員個人の経験不足を、経験豊富な「補佐役」がバックアップすることで、組織全体として経営能力を認める仕組みです。

「経営体制(ロ)」とは何か?

通常は一人の役員に「5年の経験」を求めますが、この制度では以下のような「チーム編成」を組みます。

役員(本人):建設業の役員経験が2年以上あればok。
+補佐役(スタッフ):以下の3つの管理経験を5年以上持つ常勤の役員・従業員を配置。

•財務管理(資金調達、予算管理など)
•労務管理(給与計算、社会保険、採用など)
•業務運営(工事請負契約の締結、現場管理など)

つまり、役員個人のキャリアが短くても、実務を支えてきた「ベテランの右腕」がいれば許可が下りるのです。

この戦略が「最強」である理由

この制度の最大のメリットは、「後継者へのスムーズな交代」です。
例えば、創業社長が急逝したり引退したりする場合でも、2年間の役員経験がある後継者と、長年会社を支えてきた総務部長や工事部長を「補佐役」に任命することで、許可を途切れさせることなく維持できます。

「補佐役」は一人でなくてもいい

驚くべきことに、この5年以上の経験を持つ補佐役は、一人がすべてを兼ねる必要はありません。

•財務管理は「経理部長(5年経験)」
•労務管理は「総務部長(5年経験)」
•業務運営は「工務部長(5年経験)」

といったように、3名のスペシャリストがチームとなって一人の役員を支える形でも認められます。

最大の注意点:証明書類の「密度」

このルートは非常に強力ですが、役所側の審査も慎重になります。

組織図:誰がどの管理業務を担当しているか明確な組織図が必要です。
職務分掌規定:その担当者にどのような権限があったかを社内規定で証明します。
経験の裏付け:過去5年以上にわたり、実際にその業務を行っていたことを議事録や稟議書などで証明しなければなりません。

結びに代えて:「個」から「組織」の評価へ

建設業許可は、かつての「一人のカリスマ経営者」を評価する時代から、「組織として継続できる体制があるか」を評価する時代へと変わりました。
「役員の経験年数が足りない」と悩む時間はもったいないです。自社を見渡し、長年会社を支えてきたベテラン勢の「知見」を書類に落とし込む。これこそが、令和時代の賢い許可取得戦略といえるでしょう。
この「補佐役作戦」は非常に専門性が高く、役所との事前交渉が不可欠な部分です。