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第 9 章:1 人で 2 役、3 役をこなす!「多業種兼任」の専任技術者戦略
2026年3月16日
~「附帯工事」を取り込み、受注の取りこぼしをゼロにする配置術~
建設現場では、「管工事だけ」「内装工事だけ」で完結することは稀です。メインの工事に 付随して発生する「附帯工事」もまとめて請け負いたいところですが、ここで壁となるの が「許可業種」と「専任技術者(専技)」の確保です。 今回は、最小限の人員で最大限の武器(許可)を手に入れるための、戦略的な技術者配置 について解説します。
1.「附帯工事」を逃さないための戦略
本来、許可のない業種でも 500 万円未満であれば請け負えますが、近年はコンプライアンスの観点から、元請より「関連する業種の許可も持っておいてほしい」と求められるケースが増えています。
例えば、管工事(エアコン設置など)をメインとする会社が、それに伴う電気工事や、道 路を掘るための水道施設工事の許可も持っていれば、受注の幅は一気に広がります。
2.専任技術者の「兼任」という魔法
「業種を増やすには、その分だけ技術者を雇わなければならない」…これは大きな誤解です。
戦略
同一の営業所内であれば、一人の技術者が「複数の業種の専任技術者」を兼ねることが認められています。
例:「1 級土木工事施工管理技士」の資格があれば、これ一人で「管工事」と「浄化槽設置」 などの専任技術者になれます。
例:「土木施工管理技士」であれば、土木一式、とび・土工、石、舗装、塗装、水道施設な ど、最大 11 業種を一人でカバー可能です。
3.「管」と「水道」など、相性の良いセットを狙う
関連性の高い業種をセットで取得することで、現場の実態に即した「強い許可」が完成します。
水道セット:「管工事」+「水道施設工事」
リフォームセット:「建築一式」+「内装仕上」+「大工」
インフラセット:「土木一式」+「とび・土工」+「舗装」
これらを一人の技術者の資格や実務経験(10年経験の横展開など)で紐づけることで、人件費を増やさずに「何でもできる会社」としての信頼を勝ち取れます。
4.実務経験の「10 年+10 年」は必要ない?
資格がない場合でも、実務経験で複数を兼ねる道があります。
例えば、10 年の実務経験で A 業種の専技になっている人が、さらに B 業種も兼ねる場合、 かつては「10 年+10 年=20 年」が必要とされていました。
しかし、自治体によっては「密 接に関連する業種」であれば、期間を一部重複してカウントできるケースや、特定の資格があれば実務経験が免除されるケースがあります。
結びに代えて:技術者の「資格の棚卸し」が成長の鍵
多くの経営者が、社員が持っている資格の「本当のポテンシャル」を見逃しています。
「彼は管工事の担当だから」と決めつけず、その資格が他にどの業種に対応しているか、 過去にどのような現場を経験してきたかを改めて棚卸ししてみてください。一人の専任技 術者を戦略的に配置し直すだけで、あなたの会社は明日から「多機能な建設のエキスパート」に生まれ変われるのです。